Digital Portable Player について思うこと2

 では前回に引き続いて,まずはMP3プレーヤに関しての速鳥の思想を.

 と言っても大したこだわりはなく,ただ一点“乾電池駆動であること”.だがしかし,今のご時世この条件をクリアする物は皆無だった.目にとまる全てがリチウムイオン電池,USB充電方式.

 繰り返し使える充電池でUSBに繋いでお手軽充電.たしかにその利点も大きい.が速鳥はそのお手軽さよりもバッテリが切れた時のことを考える.乾電池なら簡単に入手が可能だ.当然コンビニにも置いてあるし,100円ショップなら安く手に入る.外出先でうっかり乾電池が切れたとしても,よほど人里離れた場所でない限りはリカバリは容易だ.速鳥はたいてい,鞄の中にエネループを一本忍ばせていた.使っていたMP3プレーヤは乾電池一本で50時間前後は保ったので,ただこれだけで何の心配もなかった.

 翻ってリチウムイオン.これは切れるとどうしようもない.USB端子(しかもミニUSB)に繋げられなければ充電できないのだ.パソコン前提が当たり前ではあるが,これによって汎用性が失われた.

 とはいえ全く対応策が無いわけではなく,携帯電話やモバイル機を対象とした乾電池を使った充電器(コンビニによく置いてあるアンナノ)を使うことで解決する.これは乾電池一本買えばすむ方法に比べるといかんせんスマートさに欠けるのだが,背に腹はかえられない.近いうちに何か見繕って買っておこうと思う.

 と,一番の注目点である乾電池駆動をクリアすることができず,時代に屈してしまった訳だが,電池で動けば何でも良いのかと言われるとそうでもない.技術の進歩か,単に音楽を再生するだけだったMP3プレーヤも何でも出来るようになってきているが,そのほとんどが余計な機能だったりする.ダイレクトエンコーディングやミニコンポとのドッキングリンク,ジャケット表示が出来るようになったと思えば,動画やテキストまで表示できるらしい.“何でも出来て便利”との見方もあるだろうが,速鳥には“リソースの無駄遣い”にしか見えない.この場合は“電力の無駄遣い”か.正直MP3プレーヤにはカラー液晶さえ必要ないと考える.液晶自体は曲情報の表示や選曲操作のために必要だが,カラーにしてジャケットや動画を表示させると言う使い方はもはやMP3プレーヤではないからだ.

 まさに時代に逆行する物言いだが,そんな必要にして十分なMP3プレーヤが現れることを期待する.プリズムが復刻してくれればそれで全て解決するのだが.