化物語#8するがモンキー 其ノ參
選挙報道のせいでこっちは75分遅れの『化物語』,第8回.
するがモンキー篇の最終話.
(前回の記事はこちら.化物語 #7 するがモンキー 其ノ貳 - DDC blog)
冒頭は神原の回想シーンから始まる.
小学生の時,両親が亡くなった都合で転校してきた神原はクラスから浮いていた.
足が遅いせいもあってよくからかわれた彼女は,母親から譲り受けた「猿の手」に願う.
足が速くなりますように,と.
近く行われる運動会で1位になれば,クラスメイトの見る目も変わるのではという思いだったのだが
その願いはあらぬ方向に叶う.
その後「猿の手」を使いたくなるようなことは沢山あったが,願うことはしなかった.
しかしそれは,アララギが現れるまでの話.戦場ヶ原の側にいる彼を見るまでの.
その時神原は,無意識のうちに「猿の手」に願っていた.
だから,手首までしかなかったはずのそれが,肘までの大きさになっていた事にも考えは及ばず,
気付けば自分の左腕が怪異と化してしまっていた.
で,回想シーンは終わりオープニング.
今回また,するがモンキー篇の新しいオープニングに変わっていた.
この放送で終わりなのになぁ.エピソードごとに別のを作るなんて手間をかけてる.
でも殆ど使いきりになっててもったいない.
本編.
その怪異を何とかするために,忍野は2つの案を出す.
ひとつは願い通りアララギが殺されること.もう一つは左腕ごと怪異を切り落とすこと.
さすがにそれは,と躊躇するアララギと神原に,忍野はたたみかける.
「人をひとり殺そうとしてるんだ.それくらい当然の代償だろう.」
甘ちゃんアララギと違って忍野はシビア.
神原は殺そうとしているんじゃない,戦場ヶ原の側にいたいと思っただけだ,
と擁護するアララギだが,忍野は全てを見通している.
「猿の手」ならそんな願いの叶え方もするだろう.しかしコレは悪魔の手だ.
神原の無意識にあった_本当の_願いの通りに叶えたのだ.
神原は,自分の願いが意に沿わぬ形で叶ったんだと理由をつけ,「猿の手」と呼んだ.
しかしそれは,自分の暗い願望から目を逸らせるため言い訳.
小学校のクラスメイトもアララギのことも,全ては神原の意志だった.
そう忍野は指摘する.
こうして全貌が明らかになると,神原が悪い奴のようにも見えてくるが
これはこれで自然なあり方だとも.
人間なら倫理に背く願いを持つこともある.実行するのは,悪魔だが.
シーン変わって.
忍を抱きかかえるアララギの姿.その忍はアララギの首筋に牙を突き立てている.
そろそろ,とアララギは忍を離し,とても優しい笑顔でほほえむ.
無言のままの忍.
傷物語を読んでない人には分かりにくいシーンだが,あえて触れない.
ここで忍に向けて見せた笑顔は,恋人である戦場ヶ原にすら見せたことがない程のもの.
恋人同士のそれとはまた違った絆を強く感じられる.
そうしてから忍野の元に向かったアララギ.
神原の左腕の悪魔が“アララギを殺す”という願いを叶えられなければ,その願いは無効となる.
という忍野の話によって,神原自身と対決することになっているのだ.
とはいえ,前日の襲撃では一方的に殴られていたアララギに,神原に対抗できるほどの力はあるのか?
回復力は人外だけど,今は大した力はないだろうに.
そう思っていたら,案の定一方的にやられるアララギ.
相手は取り憑いた左腕だけと考えていたアララギだが,神原は全身を使って攻撃をしてくる.
それは,神原自身がアララギを殺そうという強い意志をを持っているからなのだ.
ここのシーンは最近のアニメでは珍しく,折れた手首やはみ出た腸など,グロテスクな表現が続く.
血液を桃色で表現しているが,あまり緩和されていない.
そんなになりながらも死ぬことはないアララギに対し
終わる事のないワンサイドゲームが繰り広げられる中,突然扉が開いて人の影が.
あれ,なんで戦場ヶ原が登場??
どうやら忍野がアララギの電話を使って連絡したようだ.
今回の件は戦場ヶ原に内緒にしてたので,かなりオカンムリ.
サディスティックな言葉をアララギに突き立てる.
戦場ヶ原の登場に,明らかに動揺する神原.
焦った様子でアララギにとどめを刺そうとするが,戦場ヶ原が立ちふさがる.
戦場ヶ原は,アララギを殺すのなら必ず神原を殺すと宣言する.
その言葉に反応したか,それとも愛の力か,取り憑かれた神原は意識を取り戻す.
そして涙を流しながら戦場ヶ原に好きだと告白.
百合キター!
泣いてる神原には加虐心をくすぐられるね!
しかし相手は戦場ヶ原.
「そう,わたしはそれほど好きじゃないわ.」とバッサリ.
…それでこそ戦場ヶ原さんですよ,ええ.
さすがに,その後に言葉を継いで神原を慰めるが,なんかえらい雰囲気ですよ,ちょっと.
今後,戦場ヶ原x神原なんて組み合わせで… ワクテカが止まらない.
こうして,なんとか一応の決着をみせたするがモンキー篇.
前回にまして重く,過激な回になった.
元は神原の秘めた恋心.始まりは純粋なものであっても,経過ひとつで大きく様変わりするという
教訓にでもしろと言いたげな話だっただろうか.
神原の思いは叶うことはなかったが,不足分は『青い花』を見て補うとしよう.