狼と香辛料II #11 狼と別れの決意

 今回組んでいるエーブが信用しきれない『狼と香辛料II』,第11回.
(前回の記事はこちら.狼と香辛料II #10 狼と孤独な微笑み - DDC blog





 商売に必要な資金を援助してもらいに,大きな商会を訪れたロレンスたち3人.
つつがなく銀貨2000枚相当,金貨60枚の融資の約束を得る.
わっちは話の間ずっと黙っていたが,大人しくしているのが,逆に不安だ.




 契約が済んだ帰り道,港で一杯ひっかける3人.そこでエーブが身の上話を始める.
元は貴族のエーブだが,没落して商人に買われて婚姻関係に.
その商人も先物取引で失敗し自殺.
屋敷や財産は差し押さえられるが,それまでに旦那のの財布からこっそり抜いて貯めていたお金で
商売を始めたと言う.
言ってしまえば,壮絶な人生の転機をへそくりで乗り切ったという,お話.
どれほど抜き取っていたんだろう.





エーブの在りし日の姿.全く別人だ.




エーブは自分の夢を,旦那の商会を超えることだと話す.
本当は自分は,あの程度の商人がはした金で買えられる様な小さな人間ではないと証明するために.
やはり心に大きな傷を負っているエーブ.その意気込みが変な方向に行かなきゃいいんだけど.



そこでぽつりと一言,「あんたらが羨ましかった…」



全く同意! ロレンスのヤロウが!







 宿に戻ってふたりきり.恒例のいちゃいちゃタイム.




わっちかわいいよわっち.






最近は,わっちがからかっても,ロレンスが平気な顔で受け流すのが不満らしい.


わっち:「ぬしよ,取り乱して欲しいのじゃが,」





ここで旅を終えよう



はいぃ?! 見てるこっちが取り乱しちゃうよ!
さすがに,その言葉に食ってかかるロレンス.


冗談にも程がある!




けどわっちは本気.
ロレンスとの出会いを良いものにしたいから,ここで別れるのが一番だと話す.


マジデ?! これもしかして最終回へのフラグか??
考え方としては分かるんだけどねぇ.
二人の関係がグダグダになる前に,笑って別れようとか,そーゆーヤツ.




わっちは言葉を続ける.


「だからわっちは怖かった… この楽しさを加速させる,ぬしの優しさが」



二人でいる楽しい時間.しかしそれに慣れてしまわないように,明日はもっと楽しいことを探す.
それはいつまでも続くものじゃなく,最後には何が残るか.
求めても満たされなくなり,それによって楽しかった過去にすらケチがつく.
わっちはそんな結末を考えて,恐れていたのだ.



 今回の商売が上手くいけば,ロレンスはこの宿屋を手に入れて自分の店を持つことができる.
わっちが目指す北の故郷もそう遠くはないし,もういい頃合いだろうと話す.


ちょっとロレンス,あんたそこで,「かもしれん」って返事はまずいでしょ!
今になって気取ってんじゃないよ!





 それまでの雰囲気を断ち切るかのように,二人は借りていた本をリゴロの所に返しに行く.
主人は急な会議の呼び出しで留守にしていたが,シスターの好意で図書室で本を読ませてもらえることに.
わっちが読んでいる間,ロレンスはリゴロ自慢の温室を鑑賞する.



相変わらずいるシスター.留守番を任されるくらいの間柄って,どんな関係なんだ.




 シスターがお茶の用意を,と席を外した隙に,ロレンスは部屋に置かれた女神像に注目.
あることに気付いた様子で,女神像を撫でた指を舐めて驚く.

「こ,これは!!」

え? 名探偵コナン的展開??



 この女神像は,きっとエーブが扱っていた商品.
先週の情報も踏まえて考えると,岩塩でできているっぽい.
でも商売的にはあまり価値のない情報だと思うけど,何か思い当たったんだろうか.




 その後もどってきたシスターと二人,お茶をしながら歓談.
わっちに見つかったら,また足を踏まれそうな程の良い雰囲気だw
温室を誉めるロレンスにシスターは,
「いつまでも見たいと思ってるうちが,一番楽しい時なのかもしれません.」
その言葉にロレンスは,わっちとの関係を思い浮かべる.


やっぱりシスターの言葉はためになりますなぁ.
神父のじゃ,まず聞く気にもならないから.





 わっちが図書室から戻ってきたところで,表の扉を激しく叩く音が.
主人の帰宅と言うには,少々品がない.
不審に思いながら扉越しにシスターが声をかけてみると,来訪者はエーブ.


かなり焦った様子で入ってくる.
開口一番,「まずいことになった!」

今回ちょっと順調すぎるから,この後何かあるだろうと思ってはいたけど.
さぁ,なんだ?




エーブ:「武装蜂起だ!


…はいぃ?!


あちこちで立ち上る炎,即席の槍を持って行進する民衆.
そして次回へ続く.





 今回は,わっちの別れの言葉から,武装蜂起と思っても見ない展開に.
現金しか扱わないという毛皮取引の五十人会議の決定への反乱なんだろうか?
エーブの岩塩の像や,急に会議に呼び出されたリゴロも気になるところだけど
これは商売どころの話じゃなくなりそうな気が…
次回も見逃せない.




この暴動であの宿屋が燃え落ちてくれれば,ロレンスも旅を続ける気になるかなぁ…