そらのおとしもの #10 天使の旋律(ことば)の向かう先
今回もトモキのバカが炸裂した,『そらのおとしもの』,第10話.
(前回の記事はこちら.そらのおとしもの #9 嘘から始まる妄想劇場(ストーリー) - DDC blog)
恒例の守形先輩による解説.
大航海時代は,異文化との交流が行われた時代でもあると語る守形先輩
プリティー三号となった会長もいる.
なにその関係図…?
会長の飼い犬まで図に入ってるし.
よく分からないまま本編.
今回はトモキの学校の合同文化祭だ.
面倒くさがりのトモキは,文化祭に参加する気はまるで無いのだが
守形先輩から新大陸発見部の出し物が決まったと,ポスターを見せられる.
先輩:「多くの新大陸発見部員の中で選ばれたのは,名誉なことだぞ?」
“名誉の戦死”って言葉になりそうだ.
自分は帰宅部だとトモキは反論するが,
いつの間にか新大陸発見部の部員として登録されていたという.
見てるこっちはすっかり部員だと思っていたけどな.
さてこの文化祭,田舎の学校で生徒数も多くないと言うこともあり,
隣の私立高校と合同で行われるらしい.
ちょうど下見に来ていた私立高校のお坊ちゃん生徒に貧乏くさいとバカにされ,
トモキは闘志を燃やし始める.
会長も同じく.
会長:「会長もカッチーンと来ちゃったわぁ.
生徒会長として,このまま引き下がるわけにはいかないわねぇ」
おぉ,会長が本気を出したら,とんでもないことになるのは間違いない.
と思ったのだが,私立がやると言うフルオーケストラに対抗して
こちらはバンド演奏をすることに.
会長が言う割には普通だなぁ.
昨今の流行りだけどさ.文化祭でけいおん.
対バンは良いとして,問題は個々の力量.
いざ集まってセッションをしてみれば,トモキのフォークギターとソハラのドラムはまだしも,
イカロスはタンバリン,守形先輩はホラ貝…
これはいない方がマシだw
会長は妙にノリノリでベースを聞いている.
やる気を出していたトモキも,みんなの演奏を聞いて
これじゃ無理と思い始めていたのだが,そこへ聞こえてくる美しい旋律.
それはニンフのピアノだった.
元々機械を操るのが得意なニンフにとっては,電子ピアノなど簡単な物なのだ.
あまりの名演奏にみんな感動している.
これならまともな演奏になりそうだと,トモキはイカロスの手を取って大喜び.
相変わらずツンデレ.
その光景を見てイカロスの表情が曇る.
イカロスはTVドラマに影響されて,トモキと手を繋ぎたいと思うようになっていたのだった.
この演奏でがんばれば,トモキと手を繋ぐことができるかと思っていたのだが
それをあっさりニンフに奪われて寂しかったんだろう.
これからだ,がんばれ.
そんな高校生らしいバンド練習の裏で,会長は会長としての仕事も怠らない.
自宅に戻り,五月田根組の組長である父親と雑談しながら切り出してゆく.
会長:「今年の文化祭で,私立のやつらからケンカ売られちゃったのぉ」
組長:「ならば五月田根家に売られた喧嘩も同然.全面戦争… じゃのぅ」
まさかの仁義なき戦いルート?!
会長は流血もいとわないのか,と思いきや,意外に普通に応援活動する組員たち.
なんか滑稽な姿だが,これによって文化祭の公立高校側の支持者を増やしてゆく.
しかし私立側も負けてはいない.金持ち学校のパワーを駆使して対抗し,
ついには町を二分する勢力抗争に…
何で竹槍まで持って,やり合う必要があるんだよw
そんな町の緊迫したムードに当てられ,トモキの練習にも無駄に力が入る.
いつまで経ってもタンバリンが上達しないイカロスに,もっと練習しろと檄を飛ばし
しょんぼりなイカロス.ニンフがトモキに誉められてるのを見て,さらにしょんぼり.
それよりもトモキは,先輩のホラ貝を何とかしろよ!
そんなイカロスの様子を見たソハラは,他のパートをやってみてはどうかと持ちかける.
タンバリン以上に簡単な物はないと思うが…
しかしそのパート変更が,メンバー全員が驚きの結果に.
そして文化祭当日.
ステージ前に文化祭を堪能しようと,「スク水メイド喫茶」にやってきたトモキ.
今回,唯一のおっぱい分でした.
休憩に入ったソハラたちと一緒に,トモキは文化祭を見て回る.
お化け屋敷を見つけたソハラがトモキの手を引いて入っていくのを
イカロスがまた寂しそうに見つめている.
ニンフは守形先輩が新大陸発見部の展示をしているのを見つけて話しかけている.
ニンフ:「そんなに空飛びたい? 空の上だって,そんなに良い事ばかりじゃないわよ…」
先輩:「だろうな.お前やイカロスを見ていれば分かる」
空を見上げてシナプスを思い出すニンフ.
シナプスでは,ニンフはマスターの「楽しませろ」という命令に従って
過酷な扱いを受けていたのだった.
命令が遂行できなければ廃棄処分になってしまうために,ニンフは従うしかない.
そのために,自分の飼っていた小鳥も
自らの手で引きちぎってみせるという事もしなければならなかった.
全てはマスターの命令,
マスター:「なかなか楽しめたぞ.廃棄処分は今度にしてやる」
ニンフ:「はい,マスター… ありがとうございます…」
蹴り倒され,踏みつけられながらも,マスターに感謝の言葉を口にするニンフ.
俺のニンフが… 酷すぎる…
そんな事を思い出していると,トモキたちがニンフを捜して戻ってきた.
その手にはリンゴ飴.ニンフが欲しそうにしていたのを見ていたトモキが買ってきたのだ.
トモキ:「お前,リンゴ飴食べたそうだったから.バンドでもがんばってくれてるし,
お礼にと思ってさ.色々ありがとな.」
ニンフ:(――ありがとうって言葉は,わたしが言う言葉じゃなかったっけ?――)
感極まって,ついに涙をこぼすニンフ.
それを見て,イカロスはニンフの頭を撫でながら慰める.
イカロス:「ニンフ,こっちの空は広いわ――」
シナプスでどんな扱いをされているのかを,イカロスは知っているのかもしれない.
そしていよいよ始まる対決のステージ.
私立のフルオーケストラの演奏はドヴォルザークの「新世界より」第4楽章.
「これが文化だ!」とマクロスもビックリな台詞を吐く私立学生.
それが終わるとついに新大陸発見部のバンド演奏.
またも無意味に巻き起こるサクライコールに,トモキのテンションも上がっている.
トモキ:「みんな,ありがとう.俺を呼ぶ声,聞こえてるぜ!
Live is life. 俺の生き様,たっぷりと見せてやるぜ!!」
トモキ:「曲は,チクチク・B・チック」
♪きもちのいい〜とこ〜 とびで〜てる〜
ぼくたちきみ〜たち〜 とびで〜てる〜
かみさまが〜きめた ことなの〜
び〜ちく〜 ふるえ〜てこわいよ〜
やさしくそのてで〜 ふれてご〜ら〜ん
最低だww
最低すぎるw
ソハラどころか,会長まで顔が引きつっている.
後で簀巻きにされて沈められるぞ,これは.
先輩とイカロスは,相変わらずホラ貝とタンバリンで変な音出してるし,
ニンフときたら,歌詞は気にならないのか満面の笑顔で演奏に没頭している.
ここまで纏まりのないバンドもすごい.
このトモキの痴態には,観客もドン退き.
…って,何か一人だけ顔を赤らめてるやつがいる?!
「リハーサルにないことやってんじゃない」とソハラに殺人チョップを喰らって
ようやく止まったトモキは,これからが本番だと,マイクをイカロスに渡す.
そして歌い出した「Fallen down」.
あまりの美しい声に,私立の生徒も含めた観客全員が聞き惚れる.
曲が終わるとイカロスコールが巻き起こり,新大陸発見部の完全勝利で幕を閉じた.
ちなみにこの時は,守形先輩もエレキギター弾いていた.
弾けるならなぜホラ貝なんかを選んだんだか.
イカロスの美声で大成功を収めた新大陸発見部は,部室で打ち上げを始める.
私立をやり込めることができて,会長も機嫌を直したようだ.
話の途中で守形先輩から後夜祭の話題が出る.
カップルで手を繋いでいかないと参加できない後夜祭に,トモキは
「俺には関係ない」と答えるのだが,
ニンフ:「それなら私が…」
ソハラ「トモちゃん,私…」
イカロス「あの…」
まー,羨ましいこって.
カップル参加は今回の一番の立役者にと,ソハラとニンフは辞退して
イカロスはようやくトモキと手を繋ぐことができた.
手を繋ぐだけという小さな,それでも自分にとっては大きな幸せに浸るイカロスだが
またあの光景を思い出してしまう.
地上人を虐殺した過去を.
イカロス:「私は,マスターの大嫌いな… 兵器……」
総評.
笑いあり感動ありでうまく纏められた良い放送回だった.
ただの文化祭が有り得ない抗争へと発展する馬鹿さ加減,
トモキの最低で最高のステージ,
シナプスでの辛い扱いと地上での穏やかな生活のギャップに苦しむニンフや
ただ手を繋ぎたいというイカロスのほのかな願い,
それが叶ったにも関わらず幸せを打ち壊す過去の記憶.
盛りだくさんだった.
特にニンフのシナプスでの立場は,まさにドレイのような扱いで
お気に入りになってしまったせいか見てて非常に辛い.
今までがバカやおっぱいで通してきた分,シリアスシーンが引き立ちすぎた.
ショックを受けた人も多いんじゃないだろうか.
そのニンフだが,やっぱり先週の予想通り,首輪のランプが一部消えていた.
4つあった物が,今は二つと半分.
やっぱり活動限界だよなぁ,アレは.
この調子だと,最終回にニンフがどうなるかが山場になりそうだ.
ニンフかわいいよニンフ
んで,今回のエンディング Ver.X は,先輩と会長で歌う「僕らのダイアリー」.
オリジナルはH2Oの曲で,『翔んだカップル』のエンディングに使われたらしい.
エンディングアニメーションは今までの放送の NG 集という形になっていて
なかなか面白い.