生徒会の一存 #12 生徒会の一存



 真冬の告白で生徒会の均衡が壊れるか? 『生徒会の一存』,第12話.
(前回の記事はこちら.生徒会の一存 #11 欠ける生徒会 - DDC blog






 「好きです」.
そう告白してきた真冬に,杉崎は戸惑っている.


杉崎:「お,おかしいなぁ.真冬ちゃんルートに入るフラグは,立ててないはずだが―


ハーレムだなんだと言ってはいるが,
実際にそんな展開になるとは杉崎本人も思っていなかったんだろう.
「ありがとう」と返すが精一杯.


それで真冬は杉崎と付き合ったりしたいのか?と,姉の深夏が恐る恐る訪ねる.



真冬:「ないです.別に付き合って欲しくないです.








ポカーン.
真冬は告白がしたかっただけで,杉崎と付き合うよりも今の生徒会のままの方が好きな様子.
無事に気持ちを伝えることが出来た真冬はもう既に通常モードだ.
それを聞いて杉崎,期待が裏切られたと妄想をぶちまける.








やっぱりダメ人間だな,こいつは.





 さて主題歌終えて本編.
碧陽学園の校門に佇む人影を映し出す.








こっ,これはまさかの本人登場?!





 で,今回の生徒会のテーマ,「わたしたち人間には無限の可能性があるのよ!」.
そう言って会長はメンバーのそれぞれに,自分の未来予想図を語ってもらうと言い出す.
最初の犠牲になったのは,冬に向けての原稿に取りかかっていた真冬.
入稿が迫ってんのかw
真冬は一日中BLを読んでいる仕事が良いけど,作家にはなりたくないという.


真冬:「BLはあくまで趣味ですから.
 仕事にしたら中目黒先輩と杉崎先輩の愛の純粋さがなくなってしまうと思うのです!








仕事と趣味は別という考え方は分かるんだけど,その理由付けがなんとも…



さらにゲームのレビュアも良い,意外なところでボクサーも良い,
囲碁チャンピオンも良いと夢多き乙女な真冬.



真冬:「美少年になって平安時代から来た幽霊と一緒に囲碁チャンピオンを
 目指すのもありかもしれません.その場合は,杉崎先輩を受け入れても…








頬を染める真冬.
結局,男同士じゃないとダメなのかよ!
でもヒカ碁のBL物は多そうだよなぁ…




 姉の深夏は,普通にOLとして就職するつもりだと答える.
あの真冬を養って行かなきゃならなそうだからだ.
お姉ちゃんは苦労するなぁ.


でも深夏はふと小さな頃の夢を思い出す.
会長と杉崎に問い詰められ,深夏は恥ずかしそうに小さな声で答える.



深夏:「だ,だから… お… お… お嫁さん…








深夏のこんな顔,見たことあったっけ?!
可愛すぎる.ただの熱血バカかと思ってたのに.
大興奮した杉崎はさっそくプロポーズしたりして.





 知弦さんは,大学に進学して適当にお金を稼ぎたいという.
今でも先物取引やらで十分稼いでるでしょうに.
それを聞いて杉崎は,犯罪だけはダメだと念を押す.
失礼な話だが,どうやら的中していたようだ.



知弦:「どうして? ばれないから平気よぉ.それは確定しているから…










 最後は杉崎.
例によってハーレムだホストだと,身の程を知らない発言ばかりで現実味がない.
そこで一つ浮かんだのが,美少女ゲームメーカの立ち上げ.これには真冬も賛成だ.
杉崎鍵の名前から,ブランド名を「」にしようとして,真冬に止められる.理由は言えないが.








うん,言わなくても分かる.


さらに「杉」からの連想で「葉」とか.
確かにそれらしい名前だけど,もう無理だから.


杉崎:「俺のブランド好きなやつは,鍵っ子とか呼ばれてぇ,
 アニメ化されてぇ,主題歌が国家と呼ばれたりしてぇ…


真冬:「ダメです! そろそろ限界です!!



あぶねぇw
その後もヒモ生活を楽しむギャルゲを作って「ヒモの王になる」とか,
どこかの海賊王みたいな台詞を吐いてみんなからダメ出しされている杉崎.
最終回に相応しいパロっぷりだ.






 そんなぐだぐだな生徒会室に,ついにあの人がやってきた.
そう,中目黒.
突然の登場に驚いた真冬は,自分のBLノートと見比べてている.








真冬:「ついに来ました! 早く行ってあげてください! 杉崎先輩の運命の人ですよ!!




真冬がBLに描いていた中目黒は,真冬の想像の産物だったのだが,
それとそっくりな中目黒(名前も同じ)の出現で,真冬の興奮は止まらない.
ビデオカメラ構えて,早く行けと杉崎をせっついている.
まるで杉崎の女版だw








名前まで同じと聞いて,「リアルキター」と叫ぶ真冬.





 この中目黒(リアル)は碧陽学園に転校してきたところ.
見知らぬ土地で帰り道が不安だという中目黒は,生徒会顧問の先生の助言で
帰り道が同じ方向の杉崎と一緒に下校したいとお願いしに来たのだった.
それを聞いて真冬は顧問にも感謝感激雨あられ









会長,アンタにゃその本は早いよ!!






 期待のまなざしを向ける真冬を無視して杉崎は猛烈な勢いで詳細な地図を描いて回避しようとするが,
真冬の必殺技「一生のお願い」により杉崎根負け.
中目黒と二人きりで下校していく.
勿論,それを後ろからこっそり覗き見る真冬(と保護者たち).



真冬:「フフフ… 冬の夜人気のない通りに,杉崎先輩と中目黒先輩が二人きり…
 きます! これで何もなければ,ダメBLです!!








今まで見たことないくらいにテンションが上がっていて,まるで別人のようだw
でもあの二人はBLでもなんでもないっつーww





 二人で歩く杉崎は横目で中目黒を見ながら,真冬作品とのそっくりさに驚いていた.



杉崎:「それにしても… 見れば見るほどそっくりだ…
 胸のリボンといい,通好みなかわいいメガネといい,柔らかく気持ちよさそうな肌と――



その気になってるしw
自分の考えに気付いて,杉崎は叫び声を上げながら自分の頭を叩いて思考をリセットさせる.


それがきっかけになったのか,中目黒が話しかけてくる.



中目黒:「杉崎君て,美少女が好きだって聞いたんだけど…


杉崎:「そうだっ!! 勘違いするなよ?! 俺はそっち100%だノーマルだ!!
 例え妄想の中でどうなっていようとも,妄想を現実に変える力を真冬ちゃんが持っていようとも!



必死すぎだってww
中目黒の不思議そう顔で,杉崎はやっと我に返る.
そしてさらに中目黒は「彼女いるんだ?」と聞いてくる.



中目黒:「いやっ… 杉崎君,ステキだから…








やっぱりソッチの気が?w




思わず距離を取った杉崎の行動を見た中目黒は,嫌われたと思い,
一人で帰ると言って歩き出した.



中目黒:「いいんだ.嫌われるのは,もう,慣れてるから――



その意味深長な態度に,さすがの杉崎も引き留めて理由を聞いた.
中目黒のこの時期の転校.
それは前の学校でイジメに遭っていたからだったのだが,
それを「逃げ」だと親や先生に言われていた.
弱いからいじめられる,弱いから逃げ出す.そうさげすまれたことを話す中目黒.
その話に,杉崎は怒る.
そんな奴らより,転校を決めた中目黒の方がずっと強い,と.


「杉崎君の方が強い」と言う中目黒に杉崎は,それは会長のおかげだと話す.
杉崎は生徒会に入る前の一年生の時から,会長に悩みを相談することもあったのだった.
そこで言われたことを振り返る杉崎.



会長:「あなたに足りないものはね,主人公精神.
 恋愛シミュレーションをやりなさい.あーゆーゲームの主人公は,
 女の子みんなを幸せにするでしょう? そゆ気持ちを学ぶべきよ.



杉崎をギャルゲに導いたのは,会長自身だったのか!!
しかもそのアドバイスも絶対おかしいだろ!



それからも季節ごとに,深夏,知弦さん,真冬に助けられて,ようやくここまで来られた.
だからこそ勉強をがんばって生徒会に入り,みんなを幸せにするんだと杉崎は語る.




 が,その語りの最中に,窓の外に会長のアホ毛見つけた杉崎.
確かめてみれば生徒会の全員に話を聞かれていた.
聞いた方も聞かれた方も,みんなしてビミョーな空気に.








それでも杉崎は,4人の女の子への感謝の気持ちと
これから幸せに行くという決意を胸に抱いていくのだった.






 という事でなかなかいい話っぽくメインシナリオは終了したのだが,
そこで終わらないのが生徒会の一存
会長は,今後の展開を話し合おうといいだした.最終回なのに.


話を面白くするために,真冬は幽霊だった設定にしてみたり








一番病弱そうだしな.案外いけそうだ.



それから,杉崎を巡る三角関係にしてみたり,








エコーオブデス兄さんはさすがに出てこなかったか.



さらに,原点に返ってパンツを飛ばしてみたり…








同時期にやってるアニメをチョイスするなんて!w



と,そんな小ネタを挟んで,今度こそ『生徒会の一存』終了.






 総評.
いいかんじに纏められ,パロディーを連発し,『生徒会の一存』らしい
満足のいく最終回だった.ごちそうさまでした.


前回真冬の告白で衝撃を与えておいて,それがまったく最終回ストーリに影響しないという
他のアニメなら有り得ない流れだが,『生徒会の一存』ならアリ.
てゆーか,なんでもアリ.そう考えると卑怯なアニメだよな.


杉崎と他のメンバーとの個々のストーリがほとんど語られなかったのが残念と言えば残念だが
これで原作に手を伸ばす人も増えるんじゃないだろうか.
振り返ってみればうまい仕組みだ.
分からない今は脳内保管で済ませることで,杉崎らしくない
良い話的なエンディングになったと思う.
惜しむらくは中目黒の活躍と,エコーオブデス兄さんの登場が…



 で,元ネタ紹介もこれが最後.


アニメ元ネタ解析:生徒会の註解:生徒会の一存・第12話