ささめきこと #10 ハプニング・イン・サマー




 実際に百合フェスはあるんだろうか? 『ささめきこと』,第10話.
(前回の記事はこちら.ささめきこと #9 ひまわりの君 - DDC blog






 オープニング.
前回の宣言通り,夏合宿にやってきた女子部の面々(とキヨリちゃん).
だがみんな一様に暗い顔をしている.









一体なにが起きたのかと思ったら,
運転免許取り立ての朋絵が運転する車が自損事故を起こしていたのだった.
ボンネットはベコベコ,フロントガラスはひび割れ,よくこの状態で運転士続けてきたものだ.
よく見たら,タンクからガソリンが漏れてるんですけど…



命からがらで辿り着いて,半ば放心状態なメンバーをよそに
主犯の朋絵は気にする様子もなく夏合宿の開始を宣言する.




朋絵:「一度きりの高一の夏,燃やし尽くすぞぅ!!




ドーン








朋絵の車,爆発・炎上.







 そんな熱い女子部の合宿に,純ちゃんの姿はない.
純ちゃんは百合フェスの約束を守り,蒼井の家でコピー誌の準備を手伝っていた.
コピー誌と言っても,蒼井の大作の上に純ちゃんも一本書いてきたのでかなりの分量だ.


結局純ちゃん,百合小説書いたんだな.
風間との妄想を膨らましてたりするんだろうか? 読んでみたいぞ.




蒼井の勢いに押され流されて手伝うことになった純ちゃんは,
本当は風間と夏休みを楽しむはずだったのに,と一人で妄想している.
風間と一緒に宿題したり,お泊まりしたり,夏祭りに行ったり,海や山へ出かけたり
ハグしたりチューしたり…








都合良すぎw





 蒼井と二人黙々と準備をする純ちゃんだったが,
「本の準備を手伝うと入ったけど,明日の百合フェスに行くとまでは言っていない」と思いつく.
準備を超特急で終え,明日の始発で風間に合流して風間の水着を堪能しようという算段だ.
俄然やる気を出して,ひたすら紙折りマシーンと化す純ちゃん.


でも,「百合フェスに行かない」とも言ってないんだよな.




案の定,蒼井は『黄昏寒椿』の制服を二着作っていて,
この制服コスで明日は二人で売り子をしようとはしゃいでいる.










そして蒼井は改めて純ちゃんに感謝の気持ちを伝える.



蒼井:「私,嬉しかったの.元はといえば,私の思い込みで無理に巻き込んじゃった事なのに,
 いやな顔しないで手伝ってくれて… 本当にありがとう




蒼井の誠意に,曖昧な答えを返してお茶を濁す純ちゃん.
そう言われても,やっぱり純ちゃんの心は風間にある.
当日,急用が出来たとでも言ってドタキャンするつもりだろうか?
いかんなー,純ちゃんらしくないなー.





 ひたすら紙折りマシーンをしていた純ちゃんと蒼井だったが,
日も落ちた頃になって,印刷に誤植を見つけてしまう.
一カ所だけだし,同人誌だしと見なかったことにして作業を続ける二人だったが…




純ちゃん:「だめー! やっぱりダメー! ここまで来たら,ここまで来たら見過ごすなんてできないー!


蒼井:「いいの! いいのよ村雨さんー! 完璧な人間なんていないのよー!








泣きながら,なに漫才やってんだw
もう夜中だというのに,イベントに間に合うのか.




 このコピー機,自営している蒼井の家の備品なのだが,間の悪いことにトナーが切れてしまう.
慌てて近所のコンビニに駆け込む二人だったが,行く場所行く場所,故障中だったり
紙詰まり起こしてしまったり,何人も待っていたりで,街中のコンビニを廻る羽目に.
やっと使えるコピー機に辿り着くことができて,また二人は泣き出す.








イベント前って,たぶん酷い精神状態で感動しやすくなっているんだろう.
そんな事をしている間にも,どんどん残り時間はなくなってゆく.





 コピーを終え,作業の再開(と明日の風間の水着)に闘志を燃やす純ちゃんだったが
勢い余って蒼井の部屋の入り口でつまずいてしまう.
その瞬間,ここで怪我をしたら海に行けなくなる,と計算した純ちゃんは,
持ち前の運動神経を発揮して,蒼井のベッドへ方向転換.
ベッドをクッションにして怪我ひとつ負うことはなかったが,
しかしベッドの上には作業途中の現行の山があることを忘れていたのだった.









飛び散る原稿.









声も出せない蒼井.
しかもお茶を運んできた蒼井母が滑って転んでまき散らしてしまう.









なんというトラップコンボ.
蒼魔灯を思い出すな.





純ちゃんは蒼井母の体を心配すが,蒼井の方は大激怒.てか,号泣.



蒼井:「やだ… せっかく… がんばったのに,間に合わないよぉ… もぉ









時間は既に24時をまわっているが,
それでも純ちゃんは,バラバラになった現行を集め直してゆく.



純ちゃん:「これはあたしたちの本だよ.途中で諦めるなんて,あたしが許さないから!








かーっこいー.これでこそ純ちゃん.
この言葉に(と言うより格好いい純ちゃんに)蒼井もやる気を取り戻す.
純ちゃんは合宿への合流を諦め,二人とも夜を徹して製本作業を続けたのだった.






 一方,車が大破,炎上して警察沙汰にまでなってしまった合宿組は
朋絵の保護者の怒りもあって,合宿は中止,電車で日帰りすることになった.



朋絵:「しかし,村雨君は喜ぶだろうな.予定より早く君に会えるんだ


風間:「純ちゃんは,人の失敗を喜んだりしないわ








そーゆー事を言ってるんじゃないのに!
でも,なんか今日の風間,やたらおとなしい感じがするなー.
純ちゃんがいないから元気がないんだろうか.






 そして翌日の百合フェス当日.
キヨリちゃん,朋絵,みやこの三人も一緒に百合フェスに来ていた.
「女の子好きがたくさんいるんだから,風間も来れば良かったのに」とキヨリちゃんは言うが,



みやこ:「どーせ,のっぽをデコスケに取られて拗ねてるだけでしょ



それは酷い言いぐさだw
ちゃんと名前で呼んでやれよw
まぁ風間も,織野真砂香関係のイベントには来る気にはならないんだろう


と思っていたのだが蒼井のサークルの前には風間の姿.








それ,変装のつもり…?
蒼井が徹夜明けで眠りこけているのを見て,姿を見せたんだろうか.
でも純ちゃんも一緒に寝てしまっている.



気配を察知したのか目を覚ました純ちゃんは,目の前にいる風間に驚く.
合宿に行っているはずなのにどうして此処に?と,混乱気味の純ちゃん.
風間は純ちゃんの耳元でそっと告げる.




風間:「純ちゃんに会いたくて,帰って来ちゃった









ぐはっ,なんという!!
未だかつてない風間の言葉に身悶えしてしまうw


当然,純ちゃんもこの言葉には腰砕け.








そりゃーそーなるわw



一部始終を見ていた朋絵とみやこは感心していた..



朋絵:「意外にも――


みやこ:「――小悪魔系かぁ









 総評.
今までのそれぞれのキャラクタの印象から考えると,ちょっと変わった感じを受けた.
普段はハッキリスッパリの性格のの純ちゃんだが,蒼井が絡んでくると妙に優柔不断だし,
特に今回は,さすがにそれは蒼井に悪いんじゃないの?と思わせるほどだった.
最終的には純ちゃんらしく,最後まで責任を取ったわけだけど.


風間の方も,前半の合宿中は声のトーンも抑え気味で,静かすぎる.
かといって,純ちゃんと蒼井の二人に拗ねてるって様子は見られなかったけど…
胸の内はどうなんだか.
でもラストのあの台詞はすごかったなぁ… ニヤニヤしてしまった.
いいもの見させていただきました!



そんな二人に対して,蒼井はいつも通りな感じ.
焦ってお母さんに怒鳴り散らす所なんかも,良くも悪くも普通の子って感じかしらん.
イベント前の特殊な精神状況だったって事で納得しよう.



朋絵はもう,運転すんな.