化物語 #7 するがモンキー 其ノ貳

 瀕死の怪我を負ったアララギは大丈夫なのか,口だけは心配しておこう.『化物語』第7回.
彼はちょっとだけ吸血鬼だから,死にはしないだろ.
(前回の記事はこちら.化物語 #6 するがモンキー 其ノ壹 - DDC blog



 前回,怪異に殴り倒されて線路に横たわったままのアララギ
戦場ヶ原はいつも通りにサディスティックな言葉を投げかける.
怪我してる時くらい優しくしてあげてよ.


一人で転んだだけだと軽口を言うアララギに,
戦場ヶ原:「そんな阿良々木君に大サービス」




なにこの構図シュールすぎる! サービスの仕方がヘンだよ! うれしいけど!





 翌日,神原の家を訪ねるアララギ.やたらと広い家.何度扉をくぐるんだ.
案内された神原の部屋は紅い本だらけ.タイトルは分からないが,なんだか怖いな.





部屋で落ち着いたところで,まず先に昨夜のことを謝る神原.
やっぱりおまえだったのか.
アララギもそう考えてきていたので,別段驚くことはしない.



 さらに神原は,見てもらいたいものがある,と言って左腕の包帯を外す.
その左手は… 猿の腕になっていた!




包帯をしてた時のシルエットと明らかに差があるけど.




 神原は,この腕は「猿の手」だ,と話す.
持ち主の願いをかなえるが,何かしらの形で不幸が訪れるというアイテム.
xxxHolicでも登場していたものだ.
それが神原の左腕に取り憑いているのか.
これが夜になると神原の意識を奪い,勝手に動き出すというのだ.
それで昨晩はアララギを襲いに… って,なんでアララギが標的? ひ弱そうだから?
と思っていたところへ,また突然の告白.




神原:「本題に入らせてもらおう.わたしはレズなのだ!

爽やかな顔してなにいってるんだコイツ…



 アララギ唖然.見てるこっちもあんぐり.
青い花』の杉本先輩といい,カムアウトブームか? にしても,脳天気すぎる雰囲気.
でもそれが,戦場ヶ原を対象としていることに気付いたアララギ
動揺をあらわにしながら神原を問い詰める.




「戦場ヶ原が男と別れたことがないというのはそう言うことだったのか?!」

目が泳いでいる.



アララギの受け身で始まった恋人関係だったけど,やっぱり恋人らしい思いはあったんだな,と.
必死な姿にニヤリ.




 神原のその気持ちは,一方的な片思いであることに安心するアララギ
そして,とつとつと思いを語る神原の言葉に雰囲気は変わる.
もちろん語るは戦場ヶ原への思い.
ずっと慕っていたこと.
その思いが他の女子とは一線を画すこと.
戦場ヶ原の為なら死んでもいいと思っていたこと.
戦場ヶ原の秘密に気付いた時,なんとか助けになろうとしたこと.
しかし,とりつくしまもない戦場ヶ原の拒絶.
だから神原は距離を置くことにした.


それがの戦場ヶ原の唯一の望みだから.



 重いよ,メチャクチャ重い!
このシーンは,本当に戦場ヶ原が好きなんだという気持ちが伝わってくる.
今までで一番シリアスな場面じゃないだろうか.
戦場ヶ原なら性別は気にしないような気はするから,神原の気持ちも通じるようにも思うけど,
その前に他人に興味持たない人だからなぁ.
アララギと恋人関係にあることがありえない話だよな―.



 そう.神原もアララギと戦場ヶ原の関係を知っていた.
自分には見せてくれなかった笑顔をアララギに向ける戦場ヶ原を.
どうして自分じゃ駄目なのか.
どんなにしても自分では手に入れられなかった戦場ヶ原との絆を
易々と手に入れたアララギに対して思いを爆発させる.



アララギに嫉妬し,戦場ヶ原に失望し,自分にあきれ果てる.
それでも戦場ヶ原の側にいたいと思った神原は…




猿の手」に願った. 戦場ヶ原の側にいられるように,と.





その願いがアララギ襲撃につながったわけだ.「猿の手」の名に恥じない効果だ.




 この怪異を何とかするために,二人は忍野の所へ向かうのだが
道中,神原がアララギを誘惑する.



体を使った誘惑とは卑怯な…


戦場ヶ原に似せるためなら髪も伸ばすと言う神原.
そこまでしてアララギを戦場ヶ原から引き離したいのか?
提案はさらに過激なものになり,


「阿良々木先輩が求めるのならどんな攻めでも受けでも


攻め受けって,そっち系?!
はたと思い出す,神原の部屋の紅い本.




ガチだ… こいつガチの腐女子だ…



 さらには,スパッツの下に下着を履いているかどうかで大論争になったりと,
さっきの告白とは雰囲気が180度変わってしまっている.
このへんは西尾らしさ.

アララギもスパッツにこだわりすぎ.




 そんな会話をしながらも忍野がいる廃墟に着く.
階段には忍の姿.しばらく目を合わせていたが,二人とも一言も発せずにすれ違う.




あー,傷物語読んでると,忍が登場するだけでぐっと来るね!



一方で忍を見た神原は大興奮.今日一番の笑顔で
「抱きしめたい.いや抱かれたい!


爽やかスポーツ少女からずいぶん株を落としたな.




 そうして忍野の元を訪れた神原は,包帯をとり左腕を見せる.
しかし忍野は,それは「猿の手」じゃないとバッサリ.
え,サブタイトルはするがモンキーだし,すっかり「猿の手」で理解しちゃってんですけど!
騙されてたのかよー



忍野は話を続ける,
それは"レイニーデビル"と言う低俗な悪魔の手だ.
猿の手じゃなくて悪魔の手なら何でもでも叶えてくれる.
だってそれは,



魂と引き替えなんだから



忍野カッコイイ! やっぱり主人公は忍野だよなー.




 そして次回へ.


猿の手」への願いの叶い方も不幸せだが,相手が悪魔となると魂との交換.
既に願ってしまった神原は大丈夫なんだろうか?
レイニーデビルという名前も初耳だし,これが次回どう展開してゆくのか.
かなり楽しみ.忍の出番もあるのかな.


 あと,「猿の手」の元ネタについて実況スレに記載があったので引用.

猿の手」(さるのて、原題: The Monkey's Paw)はイギリスの小説家W・W・ジェイコブズによる短編小説である。本作は1902年に『遊覧船の貴婦人』にて発表された。この物語は「みっつの願い事を叶えてくれる」伝統的なおとぎ話の暗いパロディである。