狼と香辛料II #10 狼と孤独な微笑み


 エーブの衝撃の提案をロレンスはどう受けるのか,『狼と香辛料II』注目の第10話.
(前回の記事はこちら.狼と香辛料II #9 狼と無謀な商談 - DDC blog



 エーブ(と宿屋のオヤヂ)との話し合いから明くる朝.
ロレンスは,利益の大きな商売の話を持ちかけられたとわっちに話す.
きつい口調で問いただすわっち.



「わっちの機嫌より?!」


この街では商売の話はおいて,のんびりしようと言っていたわっち.
そりゃ機嫌も悪くなるわ.



しかしそれに,「大きい」,と一言で返すロレンス.
手綱は握られていても,やはり商人.銭勘定には厳しいな.






 昨夜のエーブの話では,五十人会議で話し合われていた毛皮取引の案件は
“現金取引のできる商人にのみ毛皮を売却する”という事に決まったらしい.


遠方の街から取引に来ている商人たちは,大口買い付けできるほどの現金を持っていない.
つまりここで大量の現金があれば,優先的に上質の毛皮を手に入れることができ,
3倍の値で売りさばけるだろう,そうエーブは話す.



そして,現金を手に入れるために,わっちを貴族の娘に仕立て上げて
それを担保に金を借りようというのだ.
見るからに怪しい商人エーブは,実は貴族の出であることを明らかにする.
そのツテを使えば,それくらいは問題がない.
さらにロレンスには,この宿屋自体を報酬に出そうと提案してきた.




 長年,行商人としてやってきたロレンスにとって,自分の店を持つことができるこの提案は
かなり魅力的な物に見えただろう.
しかし,わっちを借金のカタに取られる危険もはらむし,
店を持つということはロレンスの旅の終わりでもある訳で.
ひとまず返事は保留にして,悩んでいたようだ.




 しかしそれを聞いたわっちは,何も悩む必要がない,二人は相棒なんだから.
例えそれが罠でも,裏をかいて大もうけするのが商人だろう,とけしかける.



あらまー,なんかイイコになっちゃって.




 まずロレンスは街へ出て情報を集める.
この町では教会がかなりの力を持っていること.
その教会も,お偉いさんを招いて毎夜接待を続けていること.
そして,エーブが塩を扱っているらしいこと.



酒場で例の看板娘からまた言い寄られるロレンス.


「他の女の人の匂いがする男の方が,ちょっかい出してみたくなる」


…こいつ魔性の女だ!





 ロレンスは教会の目的を,司教座を置く事だと考える.それによって教会はさらなる力を持つわけだ.
しかしそうなると疑問がでてくる.
なぜそんな教会とエーブはケンカ別れしてしまったのか?
商人なら,土下座をしてでも権力との関係を保とうとするだろう.




わっちに話したところで答えが出るわけもない.
さてはて?




 そして宿への帰り道.計画が失敗した場合のことが話題にあがる.
もちろん借金のカタに,わっちは売られるわけだが,
わっちは「だから夢でうなされるほど悩んでおったのか」とロレンスをからかう.
「そうなったら,次はもう少し賢い伴侶を選ぼう」
と,意地の悪いわっちw


「わっちは,ぬしを信じておるから協力する」, そう結ぶわっち.




前の街での騒ぎが嘘のような,二人の絆.見せつけてくれるねぇ.




 日暮れになって.再びエーブとの交渉に向かう二人.
部屋を出てから,わっちが手をつなぐ.



わっち:「旅を経てきたからこそ,ぬしの手を気安く握れると言うこともありんす」


かわいいなぁ.




 エーブとの交渉の場で,まずロレンスは教会とケンカ別れした理由をたずねる.
教会は,大きくなっていく段階で個人商人を切って,もっと大きな商会との取引を選んだ,
それで大げんかになったとエーブは語る.
その話に反応するわっちの耳.
ウソなのか…?


話を聞き終えてロレンスは,この話に乗ることにした.
エーブと握手を交わすが,彼女の手は震えていた.
大きな勝負に緊張しているのだろうと受け取ったロレンスだが,
わっちは浮かない顔.



さっきの話にウソはなかったんだろうか? 心配だ.





そして二人はエーブの案内で,融資してくれる人間の元へ出発した.






 今回の放映はここまで.
いよいよ大きな商売の話が始まり,ロレンス大活躍(予定).
でも失敗したら人身売買という大きなリスクがあるし,
さらにエーブもうさんくささ倍増.絶対,一波乱あるよな.
頼むぞロレンス,いざとなったら代わりにおまえが売られろ.




次回予告は 「狼と別れの決意」 …おいおい,ほんとに大丈夫か?!