ささめきこと #11 なんでもない
ここのところ蒼井が目立ち過ぎな『ささめきこと』,第11話.
(前回の記事はこちら.ささめきこと #10 ハプニング・イン・サマー - DDC blog)
百合フェスを終えて.
蒼井母からイベントの手伝いのお礼としてもらった優待券を使い,みんなでプールに来た.
もちろん,蒼井も一緒だ.
風間は兄の秘密を知られないため,蒼井からなるべく遠ざかり
会話をしないように気をつけているのだが,
それはつまり蒼井がベッタリしている純ちゃんからも遠ざかるという事.
水着姿の風間とキャッキャウフフしようとしていた純ちゃん,意気消沈.
しかしそこで,キヨリちゃんが奇跡の提案.
胸の大きさを見せつけられたくないと理由から大人チームと子供チームに分けて
別行動をすることに.
キヨリちゃんのことだから,風間と純ちゃんの事を考えてと言うことでは,断じて,無い.
こうなると,みやこと離れたうえに純ちゃんと風間の関係を見せつけられる朋絵の立場が微妙だ.
降って湧いた幸運に,純ちゃんは大興奮だ.
風間の水着がほどけるシーンで脳内妄想全開.
純ちゃん:「そんなにサービス満点でいいの?!
もらっちゃうよ?! 食べちゃうよ?! あたしぃ――」
この作品もおっぱいアニメだったとは.
そんな大人チームの所へ男がナンパしに来る.
「電信柱」呼ばわりされた純ちゃんは怒りと共に男どもを撃退するのだが,
風間は少し意識が違っていた.
風間:「私や朋絵ちゃんと一緒だと,純ちゃんは男の子に声を掛けられても無駄になっちゃうんだ」
既に相方がいる朋絵や女の子が好きな風間と違って,ストレートと思われている純ちゃん.
ここでのナンパも出会いの一つと風間には思われているようだ.
もちろん,風間の事が好きな純ちゃんはナンパ男には興味ないと言うのだが
風間は積極的.
風間「じゃあさ,いっそのこと,私と朋絵ちゃんのこと囮にして誘ってみたら――」
純ちゃん:「やめてよ!!」
つい声を荒げてしまった純ちゃん.
好きな人から別の恋愛を勧められるのは辛いだろうけどさ.
純ちゃんの気持ちに気づいてない風間の方に,悪気があったわけではなくて.
せっかくの水着デートなのに,空気が沈んでしまう.
二人とも過ぎた言葉を謝る.
風間:「最近純ちゃんは,蒼井さんにかかりっきりで忙しかったでしょ?
こんなふうに一緒にいられるの,久しぶりだから… 嬉しくて,つい.ね?」
純ちゃん大復活.
えがったねぇw
朋絵は一人,つまらなそうにかき氷をつついていた.
その後プールに繰り出した三人だが,そこで朋絵の水泳スキルを見せつけられる.
純ちゃんも対抗して飛び込みに挑戦するが見事に腹を打ち,競泳でも完敗する.
体力を消耗してぐったりな純ちゃんに対して,朋絵は平気な顔.
「純ちゃんがスポーツで負けるの初めて見た」と,風間も驚いていた.
でもその後,風間に膝枕のうえ頭をナデナデしてもらう純ちゃん.
結果オーライ!
そのあと,まだまだ泳ぐ朋絵のよこで,純ちゃんは風間に泳ぎを教えている.
大人チームを探しに来た蒼井がその光景を目にした時,
織野真砂香の小説の一節が甦った.
蒼井:「遠くに聞こえる生徒たちのざわめきは,波の音にも似て.
やがて風に溶け,そこには,ただ…」
小説と同じ雰囲気を,純ちゃんと風間に感じたのだろう.
合流した純ちゃんは,次は蒼井に泳ぎを教えるという.
それを聞いているのかどうか,蒼井はポツリと呟く.
「私… 邪魔だったのかな…」
聞き返す純ちゃんに蒼井は笑顔を作った.
蒼井:「ううん… なんでもない」
あんなうざかった蒼井が,途端に切なく感じてしまうこのマジック!
帰りの電車で.
みやこは朋絵に寄りかかって熟睡している.
朋絵の隣に座っている蒼井が溜息を一つつくと,それに応じたのか朋絵が話し出す.
朋絵:「恋というものは,自らの想いに気づくことなく,その境界上にある時が,一番美しいと思うんだ.
奥へ分け入り泥に沈むも,後にすさって茨を踏むも,それはそれで,わたしは好きだが,ね」
さすが朋絵の姉御.大人な発言だ.
見解を問われた蒼井は答える.
蒼井:「二人とも好き合っているのに,お互いそれに気づかないばかりか,
一人は自分の気持ちにすら気づいてないなんて… なかなか美味しいわね」
朋絵:「意外とたくましいな,君も」
蒼井はこれをネタにして一本書く気か?w
話題の二人は,プールを十分に堪能して熟睡していた.
総評.
なんだか久しぶりの,純ちゃんと風間との絡みだった.
二人とも(特に純ちゃんは)嬉しそうでヨカッタヨカッタ.
この二人に関しては特に展開があったわけでもなく,普通にイチャイチャしてただけだったなー.
大きな展開となったのは蒼井.
純ちゃんの風間への恋心に気づいてしまったようだ.
蒼井も純ちゃんには友達以上の好意を持っていたはずだが,
少し悲しい顔を見せたものの,朋絵の言うとおりの逞しさを見せた.
今までの純ちゃん大好きっぷりから見るとずいぶんアッサリな引き際だったけど,
考えてみれば,初めての趣味の合う友達でテンションが上がってただけなのかもしれない.
蒼井自身の恋愛の方向性はよく分からないけど,百合作品好きは明らかなんだから
純ちゃんと風間のカップルを,楽しんで見ていけるんじゃないだろうか.
実際,最後Cパートでは「冬の向日葵」というタイトルで執筆を始めていたし.
あと気になったのは朋絵.
なんでもできる純ちゃんを越える超人っぷりが発揮された.
水泳もさることながら,その周囲への観察眼や,発言の含蓄など,高校生とは思えない.
2歳上という話だったけど,実はもっと上じゃないんかな.